発達障害とクラブ活動

今回は発達凸凹の子供たちの、中学校でのクラブ活動について考えてみたいと思います。
コミュニケーションで難しさを抱える自閉症スペクトラム障害の子供たちが実際に体験した
クラブ活動でのトラブルについて聞いてみました。

ー あいさつ

クラブ活動では、特に先輩へのあいさつを厳しく指導される場合があるね。

そうそう、うちは「あいさつが出来てない。」って何度も叱られてね。

うちは、はじめから自分で「あいさつはしない!」って決めてるみたいよ。

それで大丈夫なんだね。うちは、そもそも人の顔や名前を覚えるのが苦手だし、先輩がたくさんいるので苦労してたみたい。

そうだよね。人の顔と名前、うちも覚えにくいって言ってる。

やっと覚えたと思っても、学校ですれ違った時とか、少し離れた場所からとか、あいさつをするタイミングが分からないみたいで。無視してるって思われたんだと思う。

その繰り返しだと、学校内を移動するたびにドキドキだよね。

結局、学校に行きづらくなってしまったんで、顧問の先生から先輩に「特性」について話してもらったよ。「人の顔や名前を覚えることが苦手な人もいる。」って。

それで、先輩には納得してもらえたのかな?

とりあえず、今は学校にも行けているし、クラブ活動も参加出来てる。入部する前に、顧問にきちんと話しておいたら良かったのかな?

ー 連帯感と連帯責任

それと、クラブ活動では連帯感とか連帯責任が重視されたりするね。

うちの子ではなかったんだけど、よく提出物を忘れる子がいて、顧問の方針が「クラブ活動以前に、学校の提出物をきちんと出来ない人は部活動してはいけない。」ということを気にしてなのか、同じ学年の部員全員で、その忘れ物をする子に休み時間に注意しに行ったらしい。

同じ学年の子に責められるの辛いね。

その子に「特性」があるのかどうか分からないけど、もし発達凸凹があったら、そんな風にされたら忘れ物はなくならないし、逆効果だよね。

同じ学年の子供たちも悪気はないんだろうし、良かれと思ってのことだろうけど、連帯責任を感じる雰囲気があるのかな。

ー みんなと同じように

うちは運動部で、ペアで練習をすることがあって、部員の人数が奇数なために、いつもうちの子が余ってるみたいなんだけど。でも自分から声をかけられないから一人で練習してることが多いみたいで。

でも、毎回顧問の先生に声かけしてもらうのも難しいよね。

顧問の先生も気付いた時には、さりげなく他のお子さんにペアを組んでもらえるよう声かけしてくれてるみたいだけど、先生も「一人で練習するのも本人のペースで出来るし、それはそれでいいのかもしれませんね。」って言ってた。無理にみんなと同じようにさせることだけがいいとも言えないかもね。

そうかもしれないね。「勝手」や「わがまま」とは違うものね。その場に居て練習に参加しているのだから、それはそれとして理解してもらえるといいね。

本人と周りの子供たちが、個性を認め合える環境があれば大丈夫なのかな。

中学校でのクラブ活動は強制の学校もあれば任意の学校もあります。発達凸凹のある子供たちにとっては、どんなクラブを選ぶか悩ましいところです。トラブルを避けるために、養育者としては出来れば入部して欲しくないと思う事もあるでしょう。本人の希望を聞いてあげたいところですが心配ですね。いざ入部してみると、コミュニケーションが苦手なことから、ちょっとしたトラブルもあるようです。トラブルを通して学べることもあると思いますが、気付かないうちに問題が大きくなって本人の手に負えなくなると、やはり学校に相談する必要があるでしょう。入部する前に予測出来そうなトラブルを顧問の先生に相談できるといいですね。「こうしてください」と伝えるより、「こんなことが特性ゆえに苦手ですが、何か良い方法ありませんか?」と聞いてみるといいかもしれません。クラブ活動を通じて達成感や充実感を感じてもらいたいですね。

2017年2月28日


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