発達障害と居場所

発達凸凹があると、環境への適応が難しく不登校や引きこもりになってしまうことがあります。今回は、中学校で不登校を経験しながらフリースクールに通い、高校進学では全寮制の学校を選択された、お子さんの保護者のかたにお話を聞いてきました。居場所について考えてみたいと思います。

ー 学校

小学校低学年の頃から、保護者として何か他の子どもと違うなって思っていたんだけど、学校で相談しても支援が得られなかったわ。

そうでしたね。高学年(5年生)になって、やっと通級に通えるようになったんでしたよね。

でも、高学年になると通級のような、別の場所に授業を抜けて通うことを本人が嫌がって。

周りの目も気になりだしますものね。

低学年では目立たなかったような問題も、高学年になると定型発達のお子さんが、ぐんと成長することで目立ってしまうし、本人も周りから浮いてしまうことが辛くなるのよね。

低学年か、幼児の頃に特性について知って対応できていたら、他のお子さんと同じとまではいかなくても、問題も目立たないようにできたかもしれませんよね。

お友達とトラブルになることで、本人も学校が居場所としては、どんどんしんどく感じてしまっていたようで。

ー フリースクール

中学校には、ほとんど行けなかったわ。

中学校には在籍しながら、フリースクールに通ってらっしゃったんですよね。

教育センターにも相談したけど、本人が不登校生徒が通う市の施設(週に1回程度)を利用するの嫌がって、結局、知り合いに相談してみてフリースクールを教えてもらったの。

フリースクールは、どれくらいのペースで通うんですか?

うちが通っていた所は、週の真ん中と日曜日が休みで、朝はそれほど早い時間ではなく、終わるのも午後3時くらい。電車で自分で通えていたわ。帰りは友達と遊んでいたのか、少し遅くなることもあったけど。

フリースクールでは、どんな対応をしてもらえるんですか?

発達障害があっても、それにこだわらず、例えば気に入らないことがあって泣いている子がいても、叱ったり無理に何かするのではなく、泣き止んだら自然にまた集団に入れるような感じかな。

ほったらかされている訳ではなく、見守る感じなんですかね?

いろいろな個性(特性)があっても、集団の中で体験しながら本人も周りも理解していけるんじゃないかな。接し方を心得ている大人がいることが大事だと思う。

無理に辛い学校で過ごすより、集団生活を体験できるし見守っていただけるのであれば、それも一つの選択かもしれないですね。

ほんとは学校で勉強もできて生活できるほうがいいと思うけど仕方なかったのよね。家にずっといるのも本人のためにも、私自身のためにもならないと思ったから。

ー 全寮制の学校

中学校を卒業されて、今は全寮制の学校で学ばれているんですね。

高校進学では、他に私立の学校も考えたのだけど、本人がまず見学に行ってみるって言ったので連れて行って。そしたらフリースクールで覚えたドラムが出来るとかで(軽音楽部がある)、それに小学校からやってたサッカー部もあるし、乗り気になって。

得意なことや好きなことが出来るのって大きいですね。自宅に帰れるの、どれくらいのペースですか?

月にまとめて4〜5日。普段の土日もクラブ活動したり時にはショッピングセンターに学校からバスで連れて行ってくれたりしてるみたい。でも基本的に毎日忙しいみたいよ。

心配ではないですか?

たまに帰ったときに、学校に戻りたくないうような事言うけど、とりあえず1年頑張ってみる?って。厳しい部分もあるようだけど、昔みたいなスパルタの感じでもなさそうよ。最近はそういう学校には、やんちゃな子より不登校を経験した子どもが多いみたいだし。対応も変わってきてると思う。

理解しあえる仲間ができたらいいですね。得意なことや好きなことを伸ばせて、集団生活でもやっていけたらいいですよね。居場所としてありかもしれませんね。

今回は「居場所」について、ある保護者のかたにお話を聞いてきました。不登校を経験し先が見えないなかで、選択肢の一つとしてフリースクールや全寮制の学校があったということでした。何とかお子さんの居場所を作ってあげたいという思いと、子どもがずっと家でこもっているのは、親も正直しんどいというようなお話もされていました。また家族以外と接することができる「居場所」をその子にあったところを見つるためにも、得意なことや好きなことがあるというのが大きいと感じました。一人一人が居てもいいんだと思える「居場所」が見つけられたらいいなと強く思いました。

2017年2月06日


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